日本心理劇協会 Japanese Society for Psychodorama

参考図書

「日常生活を心理劇の舞台に - 人間関係の援助」

編著 土屋明美
著 水流恵子 小里國惠 田中慶子 蔡 和美
発行 ななみ書房
定価 2000円+税

「日常生活を心理劇の舞台に - 人間関係の援助」
第1部 心理劇の理論と技法
 第1章 心理劇の基礎:歴史 基礎概念 サイコドラマ技法
 第2章 関係状況心理劇:関係状況心理劇の特徴 始めるにあたっての基本事項 基本技法
第2部 心理劇の実際
 日本心理劇協会主催心理劇研修会について
 第3章 関係発展の技法:日常生活を心理劇へ 関係に気づく技法 それぞれが補助自我になって
 第4章 関係発展の心理劇(実際例)

「はじめに」 より

人間のドラマは、
いま・生きている「ここが舞台」です。
どこにもありそうな日常の出来事や、気になっている人生のある断面、人間関係の喜怒哀楽にスポットライトをあてることから、ドラマは始まります。

日常生活で、
疑問に感じたり、気になり困っていたりする、その瞬間を「場面」というフレームの中にいったんおさめ、そこから見えてくる人間関係の諸相や、新たな自分や人に出会う「心理劇」という人間のドラマを本書ではご紹介します。

心理劇は、
人間関係の発展がもたらされる創造的な活動です。参加者は監督と共に、演者、観客、あるいは補助者や舞台製作者の「役割」をとります。「私だけのドラマ」や「皆と創るドラマ」、「出会いのドラマ」など、多種多様なドラマが展開します。

では、「心理劇」をなぜ始めるのでしょうか。
それは「人生のドラマから『人間』が脱落する『かのように』展開することがある(松村康平)」ことは、あってはならないという問題意識によります。

心理劇は、人間関係の援助技法として活用されています。
人と人が1対1で行なわれるカウンセリング法が、主に言葉のやり取りに重点を置いていることに対応させると、心理劇は言葉と行為が同程度に重要なコミュニケーションツールとなるグループ技法です。
言葉として表現されていない、或は、言葉には表現できない行為から、どのような心情を読み取ることができるでしょうか。
読み取った心情は、どのように行為化・言語化して等しく共有することができるでしょうか。
人間の世界は、言葉と行為と心情が相互に関連しあい影響しあって、絶えまなく活動しており、そのことへの気づきとかかわり方の意識化が、人間関係の援助者には求められます。

オーストリア出身のモレノJ.L.Morenoは、青年時代から演劇による社会変革を唱え、人間の自発性へ限りない信頼をおき、アメリカ移住後は集団心理療法・心理劇・ソシオメトリーを3本の基軸として、終生 役割演戯者(ROLE PLAYER) 、即興人(IMPROMPTU MAN)として、人生を過ごしたと言われています。
戦後間もない時期に心理劇と出会った心理学者松村康平は、大学の研究室から出て、身近な生活において「いつでも・どこでも・だれとも 共有できる心理劇」を実践し、「平和な状況づくり」に情熱を傾けました。
その系譜を受け継いで心理劇を展開している著者たちは、人間の多様性が尊重され、認めあえる状況が心理劇をとおして実現されることを願い、本書を上梓するにいたりました。

本書は、第1部 心理劇の理論と技法、第2部 心理劇の実際 から構成されています。 第1部では、心理劇の基礎理論・技法と関係状況心理劇の理論・技法について述べます。「関係状況心理劇」については、第2部の関係発展の技法と実際例を通して、より身近なものになることを願っております。
同時代を生き、それぞれの領域で心理劇にかかわっている多くの仲間と共に、心理劇の普及に多少なりとも貢献できれば幸甚です。 著者一同

「楽しみを舞台にのせて―ともに創る心理劇」

日本心理劇協会・日本関係学会 監修
土屋明美 小里國恵 武藤安子 編集
定価 2000円+税
ななみ書房 2014年

【ななみ書房】
 〒252-0317  相模原市南区御園1-18-57
 TEL : 042-740-0773
 FAX : 042-746-4979
※本の注文は、FAX・電話でもお受けいたします。
また、全国の書店でも取り寄せできます。

「楽しみを舞台にのせて―ともに創る心理劇」

本書は、今を遡ること49年前(1965年)に、4歳の男児が両親に伴われて、O大学の児童臨床研究室を訪れた時のことから始まります。次の3部から構成されています。

第1部 楽しみながら気づき・変わる
 彼の生い立ちや心理劇との出会い、家庭や職場での様子などが叙述されています。心理劇と生活との橋渡し役をご家族が担い、心理劇体験をその場だけの楽しみに終わらせずに、職場や家庭生活に応用する術が紹介されています。
第2部 発達臨床から心理劇へ
 幼児期の関係療法と青年・成人期の心理劇参加による変化について論述されています。
第3部 ともに創り・育つ心理劇の技法
 心理劇セッションの中から人間の発達、生活、文化のありようの違いを越えて展開可能な、ともに育つ心理劇の諸技法を選び、また彼が好んで行った「映画心理劇―全員参加の心理劇」について紹介します。

グループ活動を始める時に
ーつながりを育む50のかかわり技法ー

土屋明美 監修
関係状況療法研究会 編
ななみ書房

【ななみ書房】
 〒252-0317  相模原市南区御園1-18-57
 TEL : 042-740-0773
 FAX : 042-746-4979
※本の注文は、FAX・電話でもお受けいたします。
また、全国の書店でも取り寄せできます。

グループ活動を始める時にーつながりを育む50のかかわり技法ー

土屋明美 監修 関係状況療法研究会編 2013年
「グループ活動を始める時に ―つながりを育む50のかかわり技法―」より一部抜粋

心理劇の5つの構成要素

(1) 演者の働き
演者とは解決したい問題を提示する個人(主演者)、或いはグループを指します。「課題提起者」としての役割を担い、監督や補助自我の助けを受けて協働して課題を展開するように働き、自発性・創造性が発動し新たな気づきや関わり方が獲得されることを期待されています。
(2) 補助自我の働き
補助自我の機能的な働きには次の5つがあります。
(3) 監督の働き
心理劇ではグループのリーダーを監督と表し、主に次の機能を担います。
(4) 観客の働き
 観客(グループメンバー)の働きには次の3つがあります。
(5) 舞台の働き
 観客(グループメンバー)の働きには次の3つがあります。

(6) 上述した5つの役割の担い方の特徴を関係構造図に表すと下図(1)のようになります。

このページのトップへ